要介護につながるロコモとフレイルの違い

ロコモとは、運動器の機能低下によって立ったり歩いたりするなどの移動機能が低下した状態を指す。運動器は骨や筋肉、神経などの運動に関わる組織の総称であり、どこかに問題が起こると連動して体全体の機能に影響が出てしまう。

車やエレベーターなどの便利な移動手段が発達した現代社会では、体を動かす機会が少なくなっている。体を動かさなくなると運動器が衰え、さらに体を動かさなくなるという悪循環に陥りがちである。その結果、ロコモが進行し、要介護につながってしまう可能性があるのだ。

フレイルとは、健康な状態と要介護の中間の段階を指す言葉である。加齢による心身の変化によって起こるもので、中でも身体的な機能の低下を身体的フレイルと呼ぶ。しっかりとした診断基準は決まっていないが、体重の減少や筋力の減少、歩行速度の低下などがフレイルの評価基準とされている。身体的フレイルの段階だと介護が必要な状態に移行しやすいので、日頃からの対策が重要だ。

身体的フレイルは加齢によって起こるのに対して、ロコモは年齢に関わりなく起こるのが大きな違いです。ロコモは高齢者だけでなく、40代でも発症する可能性がある。特に糖尿病などの生活習慣病がある人は、関節の病気などロコモにつながる病気に若いうちからなりやすい傾向が見られる。

また、フレイルは症状を自覚しやすいのに対して、ロコモは自覚しにくいことも異なるポイントだ。便利な移動手段に頼っていると日常生活に支障を感じにくいので、身体機能の低下に気づきにくくなる。